奈良県立大学ユーラシア研究センターが2015年から発行してきた情報誌「EURO-NARASIA Q」が、3月刊行の第28号を最後に「廃刊」した。同センターはこれまで開催してきた一連の研究会も終了し、業務内容を研究から留学生の受け入れや支援に移行するという。
ユーラシア研究センターは15年、奈良とユーラシアの交流の歴史を研究するために発足。①近世奈良を語る会②大和のリーダー研究会③近世・近代の思想研究会④ゾロアストリアニズム(ゾロアスター教)研究会の四つを置き、客員研究員による会議や、海外からゲストを招いてのシンポジウムを開催してきた。
その研究成果は、県内の公共機関で無料配布される情報誌「EURO-NARASIA Q」(年2~3号発行)や、22年から年に4冊ずつ刊行された「奈良県立大学ユーラシア研究センター学術叢書(そうしょ)」(京阪奈情報教育出版)で発表された。特に古代のペルシャ(現・イラン)や中央アジアに広がったゾロアスター教に関する研究は、日本では専門家や一般向けの出版物が少なく、注目されていた。
惜しむ声も
同センターの研究、出版の中…